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オレンジナイツ

カイルア・コナのダウンタウン
ハワイ島にある街灯は、みなオレンジ色のナトリウム灯です。だからハワイ島の夜は、暗い。ヒロの町のバニヤンドライブでは、空き巣の被害があまりにも多いので、明るい白色灯に変えようとする運動が始まっているほどです。 今回は、そんなハワイ島の街灯事情について話をしてみたいと思います。

 1965年以前はハワイ島にも白色灯が灯っていましが、1970年までの5年間で、島の街灯はすべて白色灯からナトリウム灯へと置き換えられました。これは、ハワイ島のさまざまなコミュニティが、山頂での天体観測への理解を示すために行ったのだそうです。ではなぜ、天体観測のために、街灯を置き換える必要があったのでしょうか。

 天体観測で光を集める際、地上からの光は取り除かなければいけないのですが、白色灯の光は明るい上に、たくさんの色が含まれています。これでは空から届く光と混ざってしまい、街の明りだけ選別するのは不可能です。対してナトリウム灯はオレンジ色だけなので、簡単に取り除けるのです(夜空から届く光にオレンジは含まれません)。そういうわけで、ハワイ島の街灯にはナトリウム灯が使われるようになったのでした。



島の西側、フアラライの山肌にあかりが灯る

  こうして見ると、山肌に灯るオレンジのあかりが、まるで流れる溶岩のように見えます。とても綺麗。僕が思うに、これは単なる天体観測のための灯りではなくて、島を挙げてのアート活動なのではないでしょうか。町から町へ、海岸線へと降りて行く道にそって、街灯の明かりで溶岩の流れを形作る。火山の神ペレに祈りを捧げながら、人々はそこで暮す。なんてロマンチックなんでしょう。

(7/16/04)
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