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ハワイ島の気候(1)
 ハワイといえば、常夏の楽園、というのが大方の人が抱くイメージではないでしょうか。現実は違います。僕が住んでいるヒロという町は年中雨ばかりですし、山の上には雪も降ります。ビーチで日に焼いて、その数時間後に雪合戦をすることだってできるんです。ハワイ島には、地球上にある13の気候のうち、北極とサハラ気候を除く全ての気候帯があるんですから。

  それでは、こんなハワイ島の気候を、「雨の多い東側」、「雨の少ない西側」、「山の上」の3つに分けて説明していきましょう。


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1.雨の多い東側

 ハワイ島内の降水量が多様化している原因は、島の真ん中に鎮座する巨大な山々にあります。これらの山が作る地形の変化によって、雨の少ない地域(年間降水量250ミリ)から雨の多い地域(同じく11300ミリ)まで、島の降水量は大きな幅を持たされているのです 。大まかに分けると、島の東側は雨が多く、西側は乾燥しています。では、なぜ東側の地域には雨が多く降るのでしょうか。

  下の図にもあるとおり、雲形成の基本的なメカニズムは、「湿った空気が上昇する→冷える→凝縮されて雲になる」というものです。ハワイ島には一年を通して北東から貿易風が吹き付けており、常に海からの湿った風が入って来るのですが、その湿った空気が山の斜面を上昇しながら冷やされ、雲を形成して、風上の地域に雨を降らすのです。もし山が無ければ、風は島の上を爽やかに吹き抜けるだけで、降水量は格段に低くなるのです。全ては山の所為なのです。



 貿易風と山による雲形成のメカニズム


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  さて、東側で水分をすっかり落として乾いた空気は、山を越えて島の西側へと吹き込みます。次回は、乾いた西側と、それでも降る西側の雨についてお話します。

(11/6/04)
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